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文明の生態史観

本当は集中して一気に読みたかったのですが、細切れ時間を使ってようやく読み終えました。

梅棹忠夫 著 『文明の生態史観』。

2011022420510000

小松左京氏の推薦文で ”戦後提出されたもっとも重要な「世界史モデル」の一つであろう” と言わしめた名著です。

読書ノートに題名だけ記してあって、感想が書いてないsweat01 学生時代、たいへん感銘を受けた本だったのに。。。

昨年の訃報を聞き、もう一度読もう・・・と思い文庫版を購入していたのです。

この類の論文は難解なものが多いのですが、梅棹先生の文章はまるで旅行話交じりの講義をされているかのような文章で、楽しく気持ちがいいくらい明快なんです。

『文明の生態史観』には表題を含め11の論考が収められています。それまでの西洋と東洋という世界の区分の仕方に対し、高度な近代産業文明の段階に達した第一地域とそうでない第二地域とに区分し、旧世界(アジア、ヨーロッパ、北アフリカ)の構造やその中での日本の位置づけを独自の視点からとらえています。また東洋にも西洋にも当てはまらないインドに対して中洋という概念を取り入れるなど、はっとさせられましたがまさに納得なんです。これら論考の多くが1950年代に書かれているということにまた驚きです。

さらに興味深かったのは最後に収められている「比較宗教論への方法論的おぼえがき」です。宗教を感染症になぞらえての論考では、例えば、感染症には感染しても発症しない場合があるように、ある宗教の布教を受けても必ずしも信仰するとは限らない、というような斬新かつ説得力のある理論を展開されています。理学部出身ならではの視点ですよね。

梅棹先生は京大の学術探検隊の一員として、アフガニスタン、パキスタン、インドを訪れています。その時の体験をもとにいくつかの論文を書かており、この旅行が一つの転機を与えたと述べられています。

やはり、旅行での「生」の体験から得られるものは大きいのですね。。。shine

後年失明されるのですが、失明されてからの方がそれ以前よりも執筆論文数が多いとのこと。。。すばらしいですね。

なお、文明の生態史観はフランス語、イタリア語、中国語、英語、ドイツ語に翻訳され、フランスからは勲章を受章されてます。

・・・すみません、趣味に走った読書メモなのでスルーしてくださいませ。

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コメント

こんばんは(^^♪
題名だけ見ると、何て難しそうなbook
としかめっ面になりかけましたがcoldsweats01
snufkin♪さんの分かり易い説明のお陰で
しかめた顔が元に戻りました、ははsweat01
「宗教を感染症になぞらえて・・」というのは
説得されましたです、はいconfident
いい勉強になりましたscissors

投稿: はなのいろ | 2011/02/24 22:44

はなのいろ さん

こんばんはhappy01

こんな駄文長文を読んでいただき
さらにコメントまで。。。恐縮ですsweat01
難しい言葉を使わずにわかりやすく論じられる
数少ない学者ではないでしょうか。
この本、比較文明学に興味をもつきっかけになった
一冊なんです。。。book

投稿: 管理人 | 2011/02/24 23:36

わぁー、大変興味深い本ですねeye
とっても難しそうで読むのに大変そうですが、
文庫サイズなら読めるかしらcoldsweats01
私も本を読んだり実際、旅行に行ったりして
世界をもっともっと知りたいですsign01
そんなにもたくさんの国で訳されているなんて
本当に素晴らしい内容なのでしょうねshine
是非頑張って読みたいですsign01
ご紹介ありがとうございましたhappy01

投稿: ひとみ | 2011/02/25 02:13

おはよう。。お疲れさま。。完読。。。book
とっても。興味深い。。本ですね。。
中洋。。説得力。。が。ある言葉ですね。。まさに。。
ユーラシア大陸で。東西の文化と文明。。が。交錯する
地域ですもんね。。中東という言葉と。また違いますね。
インドにはイスラムの寺院もあって。。でも。。ヒンズーの人が
多数で。。南が特にヒンズーで。北に。。パキスタン国境近く
は。。一見で解る程。。イスラムのニオイが建物からもします。
言葉も周辺に波及してますもんね。。文字もとか。考え出したら
長くなってしまって。。百聞は一見にしかずですね。。
何書いてるか。。解らなくなってしまいました。。ごめんなさい。
この本。。読んでみたくなりました。。結論。。。。coldsweats01heart02

投稿: jazzmainej | 2011/02/25 08:16

こんにちは。
大変興味深い本ですね。でも難しそうですね。
しかし、この手の本を読まれるsnufkin♪は
勉強家だなっって思ったし、
旅行での「生」の体験から得られるものは・・・
って言われるsnufkin♪はすばらしいなって
思いました。私も機会があれば読めたらと・・・

投稿: Rossy | 2011/02/25 13:18

ひとみ さん

興味を持っていただきありがとうございますconfident
タイトルはかたいですが、
1つのお話はそんなに長くないし、
エッセイのように書かれているものも多く
するする読めると思いますwink
旅気分を味わいつつ、各国への理解も深められる本です。


jazzmaine ちゃん

こんばんはhappy01
どうもありがとう。。。やっとねcoldsweats01
中洋とは本当によくいい得てますよね。
共感してもらえてうれしいわん。
インドは東アジア文化圏の柱の一つとなる仏教発祥の地なのに、
今の宗教は違ってる。
民族も、言語も、交流相手も。。。
jazzmaineちゃんの言う通り、イスラムとか西の影響が大きくて、
私たちと同じ「アジア」にくくるのには無理があるものね。。。
インド周辺も行かれてるのかしらん?airplane


Rossy さん

コメントありがとうございます。
興味のある分野はのめりこむのですが、
それ以外はさっぱりで。。。coldsweats01
旅での体験をきっかけに考えたり見えたりすることって
あると思うんですよね。。。
でもひたすらぼーっとするのも好きですsmile

投稿: 管理人 | 2011/02/25 20:58

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